ミラクルブサイク変身物語 ~沖縄ヒッチハイクシリーズ~
『沖縄ヒッチハイク15』
おばちゃんABCたちに案内されるままに、ビルの中に恐る恐る入っていった。
その建物のドアの扉にはこんな言葉が張られていた。
「私が道であり 真理であり 命なのです」
(私って誰よ? そうつぶやきながら後についていった。)
部屋に入ると、真ん中に講壇があった。
(なんだここ?学校??っていうか何屋さん?)
その講壇の上にはまたまた言葉が書かれていた。
「神は愛なり」
(神??愛??ココってもしかしてオウム真理教??)
すると、さっきのおばちゃんBと一緒に一人のおねぇ~さんが現れた。どうやらこのおねぇ~さんは私と同じ石川県出身の人らしい。
また違うおばちゃんが、私のためにスイーツと飲み物をわざわざ持ってきてくれた。
(何だ?このありえないくらい親切な対応は?やさしすぎて・・・怖い・・・)
我慢できずに聞いてみた。
私 「すいません・・・ココって何屋さんですか?」
おばちゃんたちはゲラゲラ笑いながら、教えてくれた。
連れてこられたココの場所はプロテスタントという宗派のキリスト教会だった。
プロテスタントはカトリックの教会のように、ステンドグラスやパイプオルガンはなく、いたって地味な教会だった。
私の実家は毎月お坊さんがわざわざ家にお経を唱えにやってくるほど、まぁまぁ熱心な仏教家庭だったから、教会なんて入ったこともかかわったこともなかった。
こんなにシンプルな教会があるっていうのは初耳だった。
スイーツをボリボリと口にほおばりながら、おばちゃんたちとお話をした。
話をしていくうちに、いつの間にか私は自分の悩みをすべて話していた。
過食症をなんとかして治したい、そのために沖縄に一人旅に来たこと、
ヒッチハイクで来たこと・・・なぜか見ず知らずの人になんでもかんでも自分のことを話していた。
私の話を聞きながら、おばちゃんたちは涙を流して聞いてくれた。
私も涙が流れてきた・・・・
なんでこの人たちは見ず知らずの私の話を真剣になって、しかも涙を流してまで聞いてくれるのだろう。まったく理解できなかった。
この世界にこんなにやさしすぎる、天使のような人たちっているんだなぁ~
話をしていくうちに、ココの教会にはシスターハウスというのがあり、そこで私を寝泊りさせてくれるという話になった。
しかも、タダで(笑)
私は、漠然と何かに出会える!!と思っていたが、まさかクリスチャンに出会ってしまうなんて思ってもいなかった。
沖縄に着いて初日にして、クリスチャンという方たちに拾われたのだった。
(よくできすぎで怖いですが、本当の話なんですよぉ~。ちなみに今はイエスキリストを信じていますが、クリスチャンではないです♪)
もしも私はこのおばちゃんたちに声をかけなかったらいったいどうなっていたのだろうか・・・
当時の私は、神を信じていなかった。
神様って空想の世界。
でも困ったときは神様にお願いしちゃう~助けてくれ~みたいなくらいにしか思ってなかった。
神様とかはよく分からないというか信じられないけど、この怖いくらいやさしいおばちゃんたちに惹かれていった。
おばちゃんたちはみんなしてこんなことを言ってきた。
おばちゃんA 「奈美さん神様に愛されていますねぇ~」
私 (愛される?くさいなぁ・・・笑 )
おばちゃんB 「ほんとに愛されてますねぇ~わざわざ石川県から沖縄に呼ばれるなんてすごいさぁ~」
私 (呼ばれる?ラッキーだっただけなんだけど・・・神に愛されるって意味が分からない・・・・)
たしかに、世界ヒッチハイク横断していたお笑い猿岩石のように、3日3晩何も食べてない!!っていうくらいの苦痛を経験したかったのに、トラックの運ちゃんにおごってもらうわ、家に泊めてもらえるわ、餞別ももらえたりするわ・・・いたれりつくせりの旅だった。
神に愛されているというのはよく分からなかったが、神を信じているおばちゃんたちはなぜ、やさしくしてくれるのか?こんなお金もない高校生を騙すような悪い人たちだとも思えない・・・・
とりあえず、クリスチャンおばちゃんたちにお世話になってみよぉ~
つづく・・・
つづきはこちら→『沖縄ヒッチハイク16』
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